コラムColumn
グリーンキーパーのひとり言66
2017年総括
2017年12月06日
春夏秋冬・・・北半球に位置する日本には、毎年必ず四季があります。
ゴルフ場のメンテナンスは、この季節変動を追いかけているとあっという間に一年が経過します。年頭には、「今年は無事で無難な一年でありますように!」と真摯にお祈りするのですが、自然相手で何もない・・・年はありません。それでも毎日通常営業できていることは、「無事で無難」だったのだと、全てのことに感謝しています。
今年のコース管理を漢字一文字で表すと・・・「雨」そして「獣」でしょうか。どちらもあまり嬉しいものではありません。
-
台風21号による進入路冠水
-
ポンプアップ作業
-
ベントラックポンプ
今年の7月までは、雪によるクローズもなく降雨量も平年並みでしたが、8月になると度重なる台風と秋雨前線で記録的な雨の秋になりました。
とどめは10月の週末台風2連発で、コースと共に営業にも大きな影響がありました。10月の総雨量は478ミリで、昨年が32ミリでしたから、その差は歴然です。台風21号通過の月曜日は、元々メンテナンスのための休場日だったため、ある意味幸いでしたが、コース周辺の道路も冠水し9時ごろまでは出社できませんでした。ようやくコース内を一周点検し、バンカーの崩れなど想定内の被害を確認した後、ハウスの方に回ると、なんと進入路が長さ50mほど、深さ腰近くまで冠水!
少しの間経過観察しましたが、一向に引く様子がないのでポンプアップを開始し、夜間には通行可能となりました。開場以来25年間で初めての出来事でした。
「獣」に関しては、昨年末からの度重なるイノシシ被害に耐え切れず外周フェンスの設置に手を付けたことが大きな前進でした。現在総外周の約3分の1程度まで進んでおり、今後も一周を目標に進めてまいります。同時に夜間は「イノシシびっくり」という不定期に音の鳴る装置を使用しており、一定の効果を上げています。
-
イノシシ被害
-
フェンス設置
-
イノシシびっくり
コース全般としては、お客様により快適、安全にプレーしていただけるよう様々な設備改善、改良を実施しました。
重点を置いたのは、安全に関するコース整備、例えば進入路のセンターライン引きや、コース内カート誘導線の表示。さらにカート道路そのものの補修や木造橋の架け替え工事などです。
表には見えませんが、散水設備の更新も我々にとっては重要な設備改良となりました。コースのメンテナンスをより良いものにしていくためには、人材の確保と教育も大切ですが、基本となるコース内の設備やメンテナンス機械に不備がないことはとても重要です。季節を追いかけて作業していくと5年・10年はあっという間です。様々なものが同時に老朽化してバタバタしないように、来年以降も計画性を持って多様な課題に取り組んでいくつもりです。
-
進入路のセンターライン
-
散水設備の更新
-
新型ブロワーの導入
清澄ゴルフ倶楽部 グリーンキーパー 野呂田 峰