コラムColumn
グリーンキーパーのひとり言50
1台3役
2013年01月22日
余裕のない毎日に追われ、気がつくと「謹賀新年!」
このコラムも年々ペースダウンしながら(笑)何とか第50話までたどり着きました。このペースでは100話到達はいつのことやらですが、本年もよろしくお願いします。
近年一般的には温暖化と言われていますが、今回は2回続けて寒い冬を迎えています。
清澄のレギュラーティーには、例年凍結防止用のシートを掛けているので、ほどほどの寒さであればストレスなくティーアップできるのですが、今年は異常です。現在は急遽ハンマー型の穴あけ機をつくって対応しています。
この異常低温に、「爆弾低気圧」なんて過激な気象用語まで出現して、夏の「猛暑」や「ゲリラ豪雨」と合わせて、人間にとって地球が暮らしづらくなっているようです。世界最大の国、中国では、無理な経済成長につれて予想通り公害問題が表面化しています。自然に逆らってコントロールしようとするのは、無謀な人間のエゴです。ゴルフ場で働く我々もそのことを肝に銘じて、今後もメンテナンスをしていきたいと考えています。
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2013年の門松
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1月14日の降雪
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穴あけ用ハンマー
政権が交代し、景気回復にわずかな期待がもてるこの頃ですが、ゴルフ業界は今後ますます競争が激しくなることが予想されます。そんな中で我々従業員も、一人で何役もこなす必要がありますが、メンテナンス機械にも多能工化を可能にする優れものがいくつかあります。現在業界No.1のマルチプレーヤーは、今回導入した「ベントラック」でしょう。以前にも切株除去のためにレンタルで使用したことがありますが、本当に多機能なアタッチメントをもつトラクターです。
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ベントラック納品
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刈込アタッチメント
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切株グラインダー
シーズン中にはダブルタイヤにすることで、かなり急斜面の刈込みをします。ロータリーモアはフロントに付いていて垂直に立てることもできるので、研磨などのメンテナンスも容易です。購入時期が晩秋だったので、刈込使用は今年の春からですが、これまで1台しかなかった法面用が2台になるのでトラブル時も安心です。
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風で散乱した落葉
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ブロワーのテスト
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背負いのブロワー
雑木の落葉時期には強力なブロワーとして大いに活躍しました。落葉樹に囲まれた当クラブでは、最盛期に風が吹くと落ち葉がフェアウェイを覆い尽くすほどの散らかりようです。スイーパーも使いますが、斜面が多いので手作業での回収がメインとなります。これまでは各人が背負いのブロワーで集めていましたが、ベントラックは機械の前方で強力なブロワーを手のように動かせるので、1台で5人分以上の能力があります。乗用のブロワーは数多く出回っていますが、ほとんどがトラクターの後方に付けるタイプなので、作業がしづらいのです。PTO(駆動)が前にあることで「全ての作業を見ながらできる」これがベントラックの強みでしょう。 今回は主力の3点セットで導入しましたが、この他にもトレンチャー(溝掘り機)や水中ポンプなど10種類以上ものアタッチメントがあります。 コースメンテナンスの世界は、建築や土木作業よりも実は手作業や重労働が多く、3K業種とも言われています。優れた機械を導入し効率化を図ることは、良いコースをつくること、良い人材を確保することに繋がると信じて、これからも進んでいきたいと考えています。
清澄ゴルフ倶楽部 グリーンキーパー 野呂田 峰