コラムColumn
グリーンキーパーのひとり言18
花木の手入れ
2006年06月27日
春のコース管理は非常に忙しく、芝の刈込みだけでも大変です。雨の多い日本では、芝が伸びても、下地が軟弱で刈込み機械の入れない日も多く、前回の肥料のコラムにも書いたように 肥培管理で不必要に芝を伸ばさず、刈カスを出さない技術も求められています。
その忙しい時期に同時にやってくるのが、ツツジ類に代表される花木の剪定作業です。
ゴルフ場にはハウスまわりやティグラウンドまわりに色が欲しいので、ツツジやサツキ、その他の花木が多数植えられています。
バブルの頃には、どこのコース管理にも「植木職人」が数人専属でいたものですが、18ホールを10人前後で管理するのが当たり前の昨今では、芝以外の手入れに人をまわす事が大変です。
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進入路サツキ
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ハウス前サツキ
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今咲いているシモツケ
花木の多くは花期が終わるとすぐに、剪定や花がら摘みをしないと翌年の花付きに影響が出てきます。
さらにその後、「お礼肥」と呼ばれるような肥料も必要となります。
ダニやグンバイムシといった害虫の防除も重要なのですが、なかなか毎年そこまで手がまわらないので、今年は虫に忌避効果のある(?)肥料を使用したいと考えています。
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刈込用ヘッジトリマー
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剪定風景
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剪定終了
剪定には、大面積のため、エンジン付きのヘッジトリマーを使用しますが、長時間の作業では腕がパンパンになるほどの重労働です。
花付きの事を考えると、適期に短時間で仕上げたいのですが、芝管理の合間作業となるので、どうしても遅れがちです。
また、花のためにはこの1回剪定のみが良いのですが、進入路などのラインの美しさを出すためには、秋にも徒長枝の剪定が必要です。
緑の中に赤や黄色の花々が咲いているのは、本当に美しいのですがティグラウンド周辺など、寄植えで囲まれている古いコースは、様々な問題を抱えています。
手入れに手間がかかるだけでなく、芝にとって日当たりや風通しを阻害され、プレーヤーの動線も限定されてしまいます。
このような理由で生育不良の芝地は、芝補修を繰り返すよりも、植栽を撤去したり、樹木の下枝を打ったりと環境改善に努めた方が賢明です。
マスターズで有名なオーガスタナショナルG.C.のツツジに代表されるように、花木はコースになくてはならない大切なものです。
しかし、あまり多いと頭が痛い・・・というのがグリーンキーパーにとっての正直な意見でしょうか。
清澄ゴルフ倶楽部 グリーンキーパー 野呂田 峰