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グリーンキーパーのひとり言41

秋本番

私も芝もダウン寸前だった長い夏がようやく終わり、ベストシーズンがやって来ました。
この時期はプレーヤーにとっては最高の季節ですが、コース管理の仕事は短い期間にやることが集中し、空模様を気にしながらの忙しい毎日です。
 
① グリーンは夏のダメージからの回復と冬に備えて貯蔵養分を蓄える時期
 
② フェアウェイなどの日本芝は肥料散布、除草剤散布、同時に虫や病害の防除
 
③ ラフは刈止めと同時に落葉清掃が始まり、病虫害の防除も必要
 
④ その他、バンカーエッジ切や花壇の植替え
 
⑤ 冬期の排水工事やカート道の補修工事など改修計画の作成
 
等々、思いつくままにならべてもきりがないくらいですが、毎年のことながら、夏が長くなってきているので、ベストシーズンの短縮感が強くなっています。
ところが、そんな忙しい毎日を頻繁に邪魔する「かわいい悪者」が最近出没して困っています。

  • シカ出現

  • シカ出現

  • グリーン足跡

  • グリーン足跡

  • バンカー足跡

  • バンカー足跡

近年、野生動物の作物や人間に対する被害が、ニュースでも多く取り上げられていますが、ゴルフ場でも10年前と比べても確実に増えているようです。最も被害の深刻なのはイノシシですが、餌を求めて芝地を一晩に数百㎡掘り返すこともあります。一説には、最近のイノシシは家畜の豚との交配から生まれた「イノブタ」で、見た目はイノシシでも子供が豚なみに増えるので被害が拡大しているようです。

  • シカ対策のラジオ

  • オオカミの尿(ウフルピー)

  • センサーライトとウルフピー

シカは草や木の実、樹皮等を食べる草食動物なので、ゴルフ場にイノシシのような甚大な被害はありませんが、グリーンを傷つけるのだけは困ります・・・
彼らは悪気がなくてもかなりの重量なので、足跡と引っかき傷は大きなダメージで、朝のグリーン刈前に応急の補修をしなくてはなりません。
ここ数年必ず子鹿を見るので、群れが増え続けていることは間違いありません。シカの対策は防御柵を設置する以外にないことがわかっているのですが、莫大な経費もかかり頭の痛いところです。
そもそも自然界のバランス(生態系)を崩しているのは我々人間だと思うのですが、昔のようにむやみに槍や鉄砲で撃つわけにもいかず、天敵もいない彼らの増加を防ぐ手段がありません。国も農作物被害ともなれば少し本気を出してくれますが、相手がゴルフ場では・・・どなたか知恵か お金を貸してください。

  • ゼブラカットのFW

  • グリーンの目砂

  • グリーンスピード計測

猛暑に苦戦した夏場は「今年も秋は来るのか?」なんて真剣に考えたりしたのですが、気温が下がり、条件が整うとコースは驚くほど良くなります。
グリーンも日を追うごとに回復し、面が仕上がっていきます。清澄は面積の大きなワングリーンですから、ある程度スピードが出ないとゴルフの醍醐味が味わえません。
ベストシーズンは良いコンディションでプレーヤーをお迎えしたい! そんな思いで我々コース管理スタッフは仕事をしています。
「オンシーズンは料金が高くて・・・」というお客様の声はよくわかるのですが、コースも夏場と同じ商品ではないことをご理解頂いて、是非一度お越し下さい。

清澄ゴルフ倶楽部 グリーンキーパー 野呂田 峰

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