コラムColumn

グリーンキーパーのひとり言32

発明・発見

少し大げさですが、2008年も幾多の苦難を乗り越えて秋を向かえています。何とか少しでも楽に夏を越えようと毎年様々な事にチャレンジしているのですが、最終的には「何とか・・・」で終わってしまうのが現実です。
以前にもお話ししたように、この仕事はゴルフ場のコースに関するもの全てを管理しているので、「新しいもの」「役立つもの」を様々な分野に視野を広げ、取り入れる柔軟な姿勢が必要です。キーパーの中には、良いと信じた事を毎年繰り返し、辛抱強く仕事をする方も大勢いますが、元来飽きっぽい私は「繰り返し作業」が大の苦手で、たまに書くコラムは出来ても、日記のような「ブログ」は続きません。(笑)
もちろん、コースメンテナンスの中には毎年同時期に行う定番作業も多くありますが、その都度「もっと良い方法は無いか・・・良い資材は無いか・・・」考える事が重要だと思っています。ただし、私の乏しい頭だけではアイディアが限られているので、最近の自分の中には情報収集の3大キーワードがあります。
 
①インターネット
②ホームセンター
③知人(業者も含む)からの情報
 
中でも①と②は本当に役立っています。例えば今年コラムにも書いたように、防雷小屋を新設した際にキャディーさんから「お客様が座る椅子がほしい」と頼まれて、考えた末に場所を取らない丸椅子を購入しました。(インターネットオークション)
ところが、稀にしか使わない椅子を出しっぱなしだとホコリで汚れてしまいます。
何か良いカバーが無いかと思いながら、ある日ホームセンターを徘徊していると、ありました!抜群のカバーが・・・  本当はガーデニング用の物入れですが、軽くてサイズもぴったり・・・ 思わず買ってきた日に支配人を呼んで自慢してしまいました。(笑)

  • 防雷小屋

  • 丸椅子

  • 椅子のカバー

管理機械も年々進歩してはいますが、全てに満足できるはずもなく、当倶楽部も老朽化したものの買い替えや効率化アップ用の新製品を探し求めています。
過去にも現場のキーパーやメカニックからの要望や提案から生まれた機械が多くありますが、清澄でも「すり込みブラシ」の新製品を開発テスト中です。
グリーンには年に何回も目砂を撒きますが、砂を芝目に入れるためのすり込み作業は必須です。人工芝のようなマットを逆さにして引っ張る方法も綺麗にすり込めるのですが、すぐに使用しなければならないワングリーンで芝目をつくるのは良くありません。そこで、私は上げ下げの出来るブラシでゼブラに作業をします。これまでも特注のウレタン(スポンジ)タイヤを付けた機械を使用していましたが、機動性が悪く老朽化もしているので、コアスイーパーに目を付けました。この機械はコアリング(エアレーション)をした後の清掃作業機で素晴らしい機動力を発揮するのですが、年に数回しか出番がありません。さらに3輪のウレタンタイヤ仕様でグリーンへのダメージも少ないため、オプションでブラシが付けられれば最高です。現時点でもかなりいい線まできていますが、細かいアンジュレーションに対応するためのスプリングアームの調整など実用化に向けて最終段階です。コアスイーパーは業界ではヒット商品で、保有コースも多いので、このオプションブラシが成功すれば普及するのではないかと思います。(価格の問題はこれからですが・・・)

  • これまでのすり込み機

  • コアスイーパー

  • 試作中①

  • 試作中②

  • すり込みテスト①

  • すり込みテスト②

私は子供のころから、発明研究者の父親の影響もあったのでしょうが、工夫して何かを作ることが大好きでした。その延長のようなグリーンキーパーという仕事を自分では勝手に天職だと信じています。そして今現在、仕事上のマイブームはコースメンテナンスにGPSを導入することです。大まかなビジョンはあるので、詳細と画期的な成果(?)は後日必ずお知らせします。

清澄ゴルフ倶楽部 グリーンキーパー 野呂田 峰

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