コラムColumn
グリーンキーパーのひとり言67
浴室前庭園改修工事
2018年04月02日
ここ数年で最強の寒波が到来した冬もようやく終わり、新緑がまぶしい季節になりました。すでに30年近くゴルフ場のコース管理をしていますが、シーズンが始まるワクワク感は変わりません。春夏秋冬それぞれの課題がありますが、春の高揚感は常夏のゴルフ場では味わうことのできない感覚でしょう。日に日に芝の青さが増していく中で、冬季整備を終えた芝刈り機たちも出動の時を待ちわびています。
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傷んだカート道
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オーバーレイ舗装
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舗装風景
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バンカー基盤排水工事
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5番ホール
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バンカー完成
オフシーズンには、カート道の補修を昨年に引き続き実施しました。乗用カートがスムーズに走るようになるのでとても快適です。
集中豪雨で毎回流されるバンカーの基盤を資材で造形する「キャピラリーコンクリート工法」を初めて採用してみました。砂利入りのコンクリートに発泡剤を入れ、空隙をつくることで浸透性を確保します。施工後30mm/h以上の大雨が2回ありましたが、砂が流されることもなく、水も溜まらず、今のところ順調です。
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水抜き前
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水抜き
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固化剤混合造形
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砂利入れ
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整地
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完成
当倶楽部には浴室とロッカールームの外に池を配した庭があり、このエリアの管理に毎年頭を悩ませていました。中でも長年の問題はヘドロの堆積による臭いでした。
過去には、微生物による分解や濾過槽の設置などを試みましたが、成果をみることが出来ませんでした。
そこでついに「枯山水」へ改造することになり、この春着工しました。ヘドロは昨年17番の池底で投入した「得意の固化剤」で固め、岩や石の配置を新たに設計し、見事なロックガーデンとなりました。これからは臭いの心配もなく、水が無いので植栽の管理もマメにすることができます。コースに向かう途中の大滝は今年中には新たな設備で再開予定となっています。庭の改修は長年懸案事項ではあったものの、プレーゾーンではないために延びのびになっていました。一日の疲れをお風呂で癒し、新装かなった庭園をのんびり眺めて頂けると幸いです。
清澄ゴルフ倶楽部 支配人 野呂田 峰