コラムColumn
グリーンキーパーのひとり言1
カップ切
2004年11月01日
ゴルフの最終ターゲットである「ホールカップ」は基本的に毎日切り直します。1日のプレーヤーによるカップそのものの傷みはもちろんのこと、その周辺部もかなりスパイク等による踏圧にさらされます。メンテナンス側からみるとそのダメージをやわらげる為に毎日切り直すわけですが、プレーヤーにとってはこのカップ位置がスコアの良し悪しに直結するため、「天候」、「お客様の組数」、「曜日」等を加味しながらバランスよくホールロケーションを決めていきます。
カップ切の手順
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①カップ位置を決め、グリーン上部を切り取ります。
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②ホールカップの深さまで「本切り」します。
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③元のホールからカップを抜き取ります。
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④もとの穴に土(砂)と芝を埋め戻します。
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⑤もとの穴に土(砂)と芝を埋め戻します。
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⑥ホールカップを入れてピンを立てて終了です。
■ カップ切のポイント
①垂直に切る事。
②深さはホールカップが地面から2.5cm程度下になる事。
③埋め戻した箇所の高さと硬さが周辺と同じになる事。
■ ボールマーク直し
カップ切りをするコースマンはグリーンを点検し、修復されていないボールマークを直します。下の写真のような 方法でプレーヤーが自分のボールマークを直して頂けると本当に助かります。(すぐに直せば綺麗に直るのです。)
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①周辺にグリーンフォークを挿します。
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②中央に寄せるように直します。
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③パターの裏等で平らに直せば完了です。
そして、清澄ゴルフ倶楽部ではカップ周辺の古いボールマークには、美観と補修のために色の付いた砂を少量投入します。
■ ピンプレース表示
こうしてコースマンは一連の作業が終了するとグリーン図面にそのホールのピンプレース(ホールロケーション)を書いてマスター室に提出します。
清澄ゴルフ倶楽部では、そのデータが最新のナビゲーションシステムに連動しており、乗用カートに搭載してある画面で「グリーン上のピンの位置」、「カートからピンまでの距離」等を正確に知ることが出来ます。プレーの際には是非とも活用してみて下さい。
■ ティマーク移動、その他
カップ切りをするコースマンはティマークの移動も行います。ティグラウンドも1日使用すると、そのエリアはかなり傷む為、幅約5メートルの区域を毎日移動します。余談ですが、その際には灰皿、ゴミ箱等の清掃も行っています。
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芝の状態の良い所へティマークを移動します。
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1日使用して削れた部分には目土をします。
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ゴミ箱・灰皿も清掃します。
清澄ゴルフ倶楽部 グリーンキーパー 野呂田 峰