コラムColumn

グリーンキーパーのひとり言33

結果の残る仕事

コース内の落ち葉清掃が終わらないまま、2008年があと数日・・・
コースメンテナンスも大きなトラブルはありませんでしたが、課題をいくつか残したまま今年も終了しそうです。
オリンピック後の米国経済恐慌をスタートに先行き不安ばかりが報道される毎日・・・
ゴルフ業界はひとりの高校生スターの出現に華やいだ話題もありますが、それ以外は見通しの立たないことが多く頭を抱えています。
「ゴルフ場という非日常の空間」を提供する我々の仕事がコスト計算ばかりでは良くないのですが、企業としては採算重視も仕方の無い話です。あとは工夫とやる気!・・・
つまりマンパワーです。
来年も人手不足と異常気象を言い訳にしながら、頑張りたいと思います。

  • グリーン霜除けシート

  • グリーン霜除けシート

  • ティー霜除けシート

この冬は今のところ暖冬傾向ですが、さすがに朝は霜が降りるようになってきました。
例年のようにグリーンとレギュラーティーにはシート掛けを実施して、少しでも良い状態でお客様を迎える準備をしています。
冬場のゴルフ場で日本芝(暖地型芝草)を使用しているコースでは、グリーンのベントグラス(寒地型芝草)との境界が色の違いで明確になります。以前から何度かお話しているように、ゴルフコースの美しさは、様々なパーツ(グリーン、フェアウェイ、バンカー等)のライン出しに尽きるといっても過言ではありません。
そんな中で、当倶楽部ではグリーンのライン出しに着手しています。「そんなことは当たり前だよ」と仲間のキーパーには笑われそうですが、開場以来15年以上ほったらかしにしてきた課題なので、そう簡単ではありません。

  • 施工前のグリーンライン

  • 施工前のグリーンライン

  • 芝張替え作業

  • 芝張替え作業

  • 改良後のグリーンライン

  • 改良後のグリーンライン

  • エッジカッタ

  • 除草剤散布機

  • 除草剤散布機

春先に、大きく乱れたベントグラスのラインをコーライ芝に張り替えることで修正します。それが根付いた秋にエッジカッターでライン出しを行い、わずかにはみ出した洋芝部分を除草剤(土壌処理剤+茎葉処理剤)で慎重に処理します。
芝張り作業は労力と根気のいるものなので、専門業者に委託するという考え方もあるでしょうが、私はコースマンの技術習得の機会と捉えています。
昔はグリーンを含めて、コース内で状態の悪い所を「張り替える」という作業が頻繁にありました。私も当時の熟練コースマンにそのノウハウをいろいろと教えてもらったものです。ところが、最近は管理技術の向上と、工事は人員削減で外注化するシステムが確立してきたために芝補修の機会がめっきり減ってしまいました。
自分達でやるとなると、毎年数ホールずつしかできませんが、5年計画くらいで実施したいと思っています。地道な作業ですが、こういった結果の見えやすい仕事は非常にやりがいがあるのです。
プレーヤー目線でこういったライン出し作業をどう見られているか?と考えた時、おそらく「このコースは何となく綺麗・・・」程度かも知れません。ところが、この「何となく・・・」が非日常の空間ではとても大切です。
東京ディズニーランドを一度この視点で見て下さい。本当に素晴らしい「ライン出し」が随所に見つかるはずです。

清澄ゴルフ倶楽部 グリーンキーパー 野呂田 峰

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