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グリーンキーパーのひとり言28

グリーンキーパーという仕事

  • 暗渠排水工事終了

  • キーパー講演会風景

  • キーパー勉強会風景

新年になって最初のコラム。
明けまして・・・と、ご挨拶するにはもうすぐ2月!
少しはのんびりできる時期なのに、月日はどんどん流れていきます。
最近、私達「グリーンキーパー」の仕事、というより「立場」が難しくなっているような気がします。 大雑把に言ってこの業界の歴史はまだ50年。(100年近い名門もいくつかはありますが・・・) そんな中でコースメンテナンスの責任者が、日本ではグリーンキーパーと呼ばれる職業になってきました。 ちなみに海外では「スーパーインテンデント」という、かなり認められた専門職です。
 
バブル期に、専門職のグリーンキーパーが育つ以上の速度でゴルフ場が造成されたために、キーパーの能力に各ゴルフ場で大きなバラツキがあったのは事実です。 私がここで言う「能力」とは単に芝を育てる技能を指しているわけではありません。どの職の管理職にも求められる、計数管理、労務管理、交渉力、営業的センス等々の総合力です。
バブル崩壊で、多くのゴルフ場会社が経営破綻、あるいは経営方針の修正を余儀なくされました。そんな中、コースの一社員であるキーパーが黙々と芝を育てているだけでは認められなくなってきました。 コース管理を請負う専門業者が乱立し、コストパフォーマンスを前面に経営者にプレゼンテーションするのです。それに対し、自社のキーパーで自分の仕事と職場をブラックボックスにしてきた人間は勝ち目がありません。
「良いコースをつくる」という結果が最優先されることは当然ですが、常にパーフェクトな管理は有り得ないわけで、苦しい時、悪い時に、数字を含めた対策を営業サイドと交渉しなくてはなりません。 そして自分のコースだけでなく、外注を含めた最新のコース管理情報を常に集め、コストに見合った(あるいはそれ以上の)商品を提供しなくてはなりません。 予算が多いに越したことはありませんが、与えられた予算を効率的に配分する事が重要です。
キチンとやれば外注委託するよりも自社管理のほうが数字的に得なはずですが、どんどん委託コースが増えています。このことは、悲しい話ですが、グリーンキーパーと経営者の信頼関係の希薄さを物語っているのではないでしょうか。 日常の風通しを良くし、コース内の様々な問題に柔軟に対応していれば、自社管理のメリットは計り知れません。(そういう私も10年間メンテナンス会社に在籍していましたが・・・)
今現在、とても恵まれた環境でグリーンキーパーをさせていただいている私の意見は、同業者から反感を買いそうですが、純粋に「日本のグリーンキーパーの地位向上」を願っています。大変な反面、とてもやりがいのある職業なので、若い人達が挑戦したい職種になってほしいのです。

清澄ゴルフ倶楽部 グリーンキーパー 野呂田 峰

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