コラムColumn
グリーンキーパーのひとり言20
枕木階段の改修工事
2006年09月09日
”夏の終わり”この言葉を聞くと我々グリーンキーパーは本当にホッとします。
ベントグリーンを持つキーパー仲間に夏が好きな人はいません。 暑いエリアの方達とばかり付き合っているわけではないのですが、この時期、軽井沢なんかのグリーンを見ると、とても同じペンクロスとは思えず羨ましくなります…。さらに彼らの方が、散水に井戸水を使っていたりなんかして……。もう愚痴はやめましょう…。さあ、もうすぐ秋です!
バブル期造成のゴルフ場、当クラブもそうなのですが、本当にいたる所に枕木(線路の下地に敷く木材)を使用しています。当時は20~30年は腐らない・・・と言われていましたが、実際には10年過ぎると老朽化し、 階段や土留め壁は交換補修が必要になります。
自然美の中の枕木は、人工物であってもピート・ダイ設計のコースに代表されるように、コースにとてもよく合います。その為、これらを全く別の形状の素材で造り直すとコースイメージそのものも変わりかねません。 そこで清澄では、以前”池護岸工事”のコラムで紹介したプラスチック枕木で、順番に手直しをしています。
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プラスチック枕木
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使用例1
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使用例2
■ アウト売店入口階段
当倶楽部売店のちょっと変わった階段も枕木で出来ていましたが、中が抜けてボロボロになった事と、毎年その穴にスズメバチがやって来て巣をつくるので困っていました。
今回は階段全てをプラスチック枕木に交換する工事を行いました。お客様には10日間程ご迷惑をお掛けしましたが、良いものができ、同時にトイレへの通路も拡幅した事で使い易くなりました。 工事中には枕木工事だと思って近寄ってきたお客様も、よく見ると木でないことに気付き驚かれていました。枕木よりも簡単に切断でき、釘や木ネジが効くので、コース内で使い易い素材です。 唯一の難点は、温度で少し曲がったり暴れたりする事で、それを押さえながら施工する必要があります。
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着工前1
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着工前2
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スズメバチ駆除
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工事中1
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工事中2
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工事中3
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完成1
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完成2
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完成3
■ 1番ホールグリーン出口階段工事
この階段は次のティーへ抜ける唯一の通路ですが、枕木の幅が狭く、脇を歩いたお客様が滑って軽い怪我をされることもありました。今回は2人並んで歩いても十分な幅を確保し、途中に踊り場を設ける事で、とても歩き易い階段になりました。
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工事中1
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工事中2
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完成
コースも開場から年月が経つと、風格を増すと同時に歩経路や階段などの人工物が傷んできます。これらの改修は安全上重要なことはもちろん、コースの美観アップとグレードを維持するためにも大切です。当倶楽部では、今後もより良いものを求めて取り組んでいきたいと考えています。
清澄ゴルフ倶楽部 グリーンキーパー 野呂田 峰