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グリーンキーパーのひとり言17

芝生の肥料

コース内のサツキやツツジが咲き始め、フェアウェイの緑もかなり色が出てきました。今年は関東の各コース共、厳冬の影響から日本芝(特にコーライ芝)の芽出しが良くありません。
当倶楽部も一部ティーグランドやフェアウェイで立ち上がりの悪い箇所がありますが、先日来場した茨城のキーパーの話では、「清澄の方がずっと良い・・・」と言っておりましたから、相当ダメージがあるようです。

  • コース状況

  • コース内のツツジ

  • 山ツツジ

今回は芝生に与える肥料の話をしたいと思います。
芝生も植物ですから、適量の水と肥料が必要になります。しかし、ゴルフ場はスポーツターフである事と収穫を目的とした作物ではない事から、その与え方は非常に重要です。
肥料には大別すると「固形の物」と「液体の物」があり、液肥は粉状か濃縮液を500リットル~2000リットル程度のタンク車内で希釈して散布します。
固形の物も与える対象エリア(グリーンやラフ)によって形状も性質も様々です。

  • 液肥

  • 顆粒

  • 細粒

  • 普通粒

  • ペレット(菌体入)

  • コーティング肥料

① グリーンの肥料
 
ベントワングリーンの当倶楽部では、グリーンには液肥が主体となっています。一般によく知られているN(窒素)、P(リン酸)、K(カリ)を含んだものも使用しますが、特にボールの転がりを要求される芝生ですから、茎葉の徒長を避け、均一な面を作るために、これら3要素以外の微量成分で様々なコントロールをします。
少し難しい話になりますが、N(窒素)肥料をそのまま与えると、芝は葉を広げ光合成をする事でアミノ酸に変換し、体内に吸収します。ところがこの葉を広げ暴れる事がグリーンではスムーズな転がりを妨げるので、その過程を省略してやるためにもアミノ酸肥料を使うのです。
 
② フェアウェイの肥料
 
フェアウェイやラフは大面積なので施肥も作業効率と効果が求められます。芝は収穫するための植物ではないので、なるべく刈カス量を増やさないように・・・。 しかし、密度の高いターフを作らなければなりません。 そこで、ここ数年注目されているのが、サッチ(芝カス等)分解菌入りの肥料です。 詳しい話をすると長くなるので省略しますが、春はこれを散布し、秋には肥効が長く作業性も高いコーティング肥料を使用しています。 コーティング肥料は、肥料分が徐々に溶出する「殻」に包まれた肥料で、様々なタイプが発売されています。

  • 散布風景①

  • 散布風景②

  • 散布風景③

今回は、芝生の肥料についてアウトラインを話してみましたが、奥の深い分野ですので、もう少しマニアックな内容も、またの機会にお話したいと思います。

清澄ゴルフ倶楽部 グリーンキーパー 野呂田 峰

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