コラムColumn
グリーンキーパーのひとり言11
インターシーディング
2005年10月05日
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ニューベント T-1
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発芽テスト
この一般的ではない用語がゴルフ業界で使われ始めてまだ数年です。一口に「グリーンの芝」といっても、皆さんが区別しているのは、洋芝=ベントグラス、日本芝=コーライ芝といったところでしょうか?
この2種類ほどの差はありませんが、ベントグラスの中にも我々に認知されているだけで、数十種類の品種があります。果物の中に「りんご」や「なし」があって、りんごの中にも「フジ」や「ツガル」といった品種があるのに似ています。 ベントグラスの世界も、20年前全盛だった「ペンクロス」から選抜育種され、より耐病性の高いもの、あるいは耐暑性の高いもの等が、研究、開発されてきました。そして「芽数が 多くて、直立型」というようにパッティングクォリティーに直接結びつくような性質も重要視されています。
そして問題は、これら「ニューベント」と呼ばれるものを、営業中のゴルフ場で、いかにして導入していくのか?という点です。
埼玉県のような、夏暑い地域でも、年々ベント志向が強くなり、「ベント、コーライの2グリーン」で営業してきたゴルフ場が、次々とコーライのベント化を進めています。その方法は各コース様々で、完全に床土から変えて播種する所と、除草剤で既存のコーライ芝を枯らしたり、傷めてから播種するケースがあります。
いずれにしても、これらは片方のベントを使用しながら養生期間が設けられるので、ほとんど無駄なく「ニューベント」のグリーンが完成します。清澄のようなワングリーンのコースでは営業を一定期間休む事ができませんから、「インターシーディング」という手法が考え出されたのです。
■ 施工方法
通常、インターシーディングと呼ばれる種まきは、春か秋に行われます。まず、通常のエアレーション(コラム7参照)をムク刃やスタータインでやった後、穴が完全に埋まらないうちに、細かいピッチで下穴を開けながら、播種していきます。その上に保水改良剤等を混ぜた砂を被せ、ブラシですり込みをします。最後にしっかり散水をして終了です。
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①エアレーション
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②播種風景
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③目砂散布
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④すり込み
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⑤散水
■ 問題点
ニューベントには、かなりの種類があるとお話しましたが、どの種を使ってもインターシーディングの弱点は、その定着率の低さにあります。
ワングリーンの場合、通常営業の刈高は4mm前後になる事が多く、せっかく発芽しても刈込みで衰退し、定着する固体はごくわずかです。
せっかく品種変換を図りたいとインターシードしても、1~2割しか残らないのが現実です。
今年の夏、当倶楽部では、いくつかのトラブルが重なり、ベントグリーンがかなりダメージを受けました。地球温暖化が進み、日本も年々暑くなります。 そんな中でも耐えられる強い品種、管理法の確立が今後我々に求められると思います。
清澄ゴルフ倶楽部 グリーンキーパー 野呂田 峰