コラムColumn
グリーンキーパーのひとり言8
バンカー整備
2005年06月30日
ゴルフ場の中で、誰もが知っているハザードといえば「バンカー」でしょう。その存在は、単にプレーヤーにプレッシャーと罰打を与えるだけでなく、コースとしてのメリハリや美観上も重要な役割を果たしています。
今回は、我々コースマンが毎日のメンテナンスの中で、バンカーをどのように維持管理しているかについてのお話です。
■ バンカー均し
最近のゴルフ場では、ほぼ毎日、機械によるバンカー均しを行います。これについては、砂がしまって固くなることや、砂の粒子が細かくなりすぎて、排水が悪くなることなど、いくつかの弊害もあるのですが、プレーヤーのマナーの低下や、美観の面から、毎日出動しているのが現状です。
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法側の手均し
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マシンによる均し①
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マシンによる均し②
■ バンカーエッジ切り
バンカーにおいて最も重要なのは、芝面との境界線(エッジ)がしっかりと出ていることです。ルール上もトーナメント等の規定で 「ガードバンカーには必ずリップを設ける事」とあるように、境界線の重要性が謳われていますし、エッジの管理がしっかりとされているコースは、美観上も非常にしまって見えます。
エッジ切りは年に2~3回行われ、暑い中での作業が多く、コースマンにとってはかなり大変です。
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エッジ切り
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芝のランナー回収
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フライングモアによる周辺刈
■ バンカー耕運
「バンカーの固さ」は、当倶楽部でも、毎回議論になる話です。プレーヤーにとっては、「砂の厚みはあって、ちょうど良い固さにしてほしい」という事なのでしょうが、それがなかなか難しいのです。
新しい砂を入れると、その砂の粒形にもよりますが、落ち着くまでに1年~3年はかかります。
固すぎるバンカーと軟らかすぎるバンカーのどちらが好きかと聞かれれば、私はまよわず前者を選びます。そこで、ちょうどよい固さを得るために、砂の補充をしながら、耕運して調整をするというメンテナンスが必要となるのです。
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バンカーの砂入れ
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バンカーの耕運機
■ バンカーレーキ
今月、当倶楽部では、グリーン廻りガードバンカーのレーキを全て交換しました。何種類もの中からテストをして、最も使い易く、公式競技にも使用できるものですから、「プレーヤーは自分のバンカーショットの跡は自分で均す」というゴルフ本来の姿を今後見られるのでは・・・と少し期待しています。
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新型バンカーレーキ①
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新型バンカーレーキ②
コース設計者が思いを込めてつくったバンカーを最大限に生かし、景観的にもしまったレイアウトを維持するために、我々はこのようなメンテナンスをしています。
皆様にも良いコースを見分ける方法の1つとして、バンカーとその周辺の管理状況を見ることをお勧めします。
清澄ゴルフ倶楽部 グリーンキーパー 野呂田 峰